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国際トゥースフレンドリー協会の会議報告
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1998年11月12日〜13日(スイス・バーゼルにて)

  日本トゥースフレンドリー協会会長 山田 正



ライン川とバーゼルの教会
 今回の会議はライン川の流れるスイス、フランス、ドイツの国境の町、バーゼルの郊外で開催されました。バーゼルの空港はフランス領にあり、フランス領への出口とスイス領への出口が別々にあります。スイス領の出口を出ると空港からスイス・バーゼル市内までは、高速道路を検問なしで行けますが、鉄道のバーゼル駅はドイツ駅とスイス駅があるというややこしい町です。

 一日目は、各国の代表が参加して国際トゥースフレンドリー協会将来計画委員会(TSI Planning Committee)、二日目には、さらに企業会員代表が加わって助言委員会(Advisory Coucil)がありました。審議内容はほとんど共通しておりましたので、一括して報告します。

 今回討議の二つの大きな問題は、
  (1)ロイヤリティーの変更
  (2)アメリカ合衆国でのトゥースフレンドリー協会の設立
についてでした。


(1)ロイヤリティーについて

 前回の会議で、国際協会では、これまでの売上重量当たりの課金システムから、売上金額当たりの課金システムに変更することを提示しました。しかし、これにはいくつかの問題があることが判明しました。まず、課金する売上金額を卸価格に設定するか、末端価格に設定するかの問題がありますが、いずれの価格も正確に把握することが困難なことがわかりました。種々論議の結果この方法の採用は今回は見送ることにしました。

 また、国際協会の財政がかなり厳しいこともあり、ロイヤリティーの値上げの問題も討議されました。値上げした場合、ロイヤリティーを多く払っている企業にとっては、かなり大きな負担増になりますので、上限を設けることも検討されましたが、これについても、国際的な企業では、各国での売り上げ毎に上限を設けるのか、トータルとしての上限を設けるのか問題が多く、結論を得るには至りませんでした。


国際トゥースフレンドリー
協会の会議の模様


バーゼルのケーキ屋さん
(dentistfriendly?)

(2)米国でのトゥースフレンドリー協会の設立と各国の情勢

 さて、アメリカでのトゥースフレンドリー協会の設立問題は、各企業の思惑、政府関係機関や米国歯科医師会との関係等が複雑に絡み合い、一筋縄ではいかないようです。そのための運動には、ベール博士の旅費などでかなりの費用がかかります。しかし、アメリカでのトゥースフレンドリー協会の設立は、他国への影響が大きいとのことで、その働きかけは継続することにしました。その経費の捻出には、引き続き、原料メーカーの寄附を仰ぐこととしました。

 昨年より、英国での活性化のため、小売商(retailer)を通して、「歯に信頼マーク」付き製品の増加を働きかけてきました。かなりの成果は期待される段階にきたものの、具体的な効果が上がるまで後一歩という段階であり、小規模ではあるが引き続き支援を続けることにしました。


 もっとも成果が上がっているのはスペインです。新聞、雑誌、テレビなどマスコミ・ミニコミを通しての活動が成果を上げ、チューインガムの45%が一気にシュガーレスになり、「歯に信頼マーク」をつけたものも15%に達しています。現在も伸び続け、先行きが期待されています。また、トルコでも42%のチューインガムがシュガーレスになるなど、トゥースフレンドリー協会の活動が順調に伸びています。

 国際協会としては、1999年には、有望な発展先として、メキシコ、台湾、ブラジルなどにも焦点をあてて、活動してゆくことしました。


バーゼルのお菓子屋さん
(dentistfriendly?)

金周煥博士
会議場
Landgasthof Ochsen
と金周煥博士

(3)問題点

期待していた韓国での伸びが、アジアの経済危機により、期待はずれとなったこともあり、国際協会の財政もかなり厳しい状態です。

 日本のみならず、各国で科学的根拠のない歯に安全マークの出現やら、「歯に信頼マーク」の無断使用などもあり、法的な対抗措置に費用もかかります。日本を含む各国での商標登録の更新などトゥースフレンドリー協会のシステムの維持費も大変なようです。

 しかし、他の多くのシステムが泡のように出没しては消えて行く中で、しっかりした科学的根拠に基づいて行っているトゥースフレンドリー協会の堅実さは、各国の活動メンバーに大きな自信として根づいているようです。

 今回は、韓国の口腔保健協会会長の金周煥先生も、高齢にも関わらず元気に姿を見せ、韓国での活動に揺るぎない自信を示しておられました。


(4)余談

 この機会を利用して、バーゼル郊外のBinningenにある国際トゥースフレンドリー協会本部を訪れました。

 Bioresco社の建物の2階にある事務局は、コンピュータと書類それに各国から集められた「歯に信頼マーク」付き商品やパンフレットで溢れていました。さながら、トゥースフレンドリー協会博物館と言った感じです。日本からの商品パンフレットも多くありましたが、もっと多くの資料を送らなければと思いました。

 ベール博士には、自宅で家庭料理のチーズフォンデューをごちそうになり、バーゼルの街を案内してもらいましたが、ヨーロッパの伝統が残る静かな街で、デジカメのメモリーはあっという間に一杯になってしまいました。

ベール博士
国際トゥースフレンドリー
協会の本部で
事務局長ベール博士
basel
ライン川とバーゼルの街 (1)
basel
ライン川とバーゼルの街 (2)

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