国際トゥースフレンドリー協会総会報告
日本トゥースフレンドリー協会会長 山田 正
去る3月17日(2009年)、スイス・チューリッヒのチューリッヒ大学歯学部で、国際トゥースフレンドリー協会の総会が行われました。
会長のグッゲンハイム教授、ドイツ、日本、韓国、トルコなど各国部会、会員企業の代表などが出席し、事務総長のベール博士が議長を務めました。
定足数を確認の上、2007年、2008年の会計報告が行われました。世界的な不況の中、国際トゥースフレンドリー協会の財政状況も厳しいものがありますが、この中で議論されたのは、協会の会費の問題です。基本的な会費が500ユーロと言うのは安すぎるのではないかと言うことです。大企業と中小企業が同一の会費を払う問題、ことに、発展途上国の企業では、先進工業国と同額の会費を支払うと負担が多すぎることが説明された。、また、「歯に信頼マーク」を使うことに対するバリアーを高くしたくないこともあり、事務局として、会費の設定については、ロイヤリティーの上限設定を含め、多少の柔軟性をもって扱わせて欲しいと言うことで、了解されました。日本トゥースフレンドリー協会でも考慮しなければならない問題かも知れません。
グッゲンハイム会長から、糖アルコールメーカーの原料の袋にも「歯に信頼マーク」を使うべきではないかとの示唆があったが、企業会員からは、ラベルをつけることには、複雑な問題があり、現実的には困難であるとの意見がありました。
このような議論の末、2007年、2008年の会計報告は了承されました。
続いて2008年の業績についての報告があり、トゥースフレンドリー協会として、その科学的根拠を論文にして発表することを計画しながらなかなか実現に至らないのはなぜかとの質問がありました。財政、人員的な問題でなかなか実現できないことが、グッゲンハイム会長よりありました。しかし、これがないことによりEFSA(European Food Safety Authority )などから、100%キシリトールチュウインガムなどについて、問題の多い報告がなされることになるとの指摘があり、引き続き論文の発表を計画に盛り込み、努力することが承認された。
続いて2009年の計画について議論された。再び、EFSAの100%キシリトールガムについての不適当な見解が議論され、EUの科学委員会(米国FDAでも同様に)で、齲蝕予防については、キシリトールを含む全ての糖アルコールが同等であると結論されているのに、キシリトールガムだけを特別扱いしたEFSAの見解に対して、修正を求めていくとの事務局の方針を支持した。
また、本年6月には、テストセンターを中国に開設する予定であること、Zimmer教授により、ドイツにもあらたにテストセンターを開設する計画を行っていくことが報告され、これを了承した。
最後にMarthaller名誉教授を本会の名誉会員とすることが事務局より提案され、全会一致でこれを了承した。
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